九州・山口 医療問題研究会
福岡県弁護団

全国交流集会 in米子に参加してきました

2019.03.14

報告が遅くなりましたが、2018年11月16日・17日に、鳥取県米子市にて「第40回 医療問題弁護団・研究会 全国交流会」が開催され、九州・山口医療問題研究会からも数名のメンバーが参加してきました。
患者側で医療問題に取り組む弁護士の集まりは、九州・山口だけでなく全国にあるのですが、年に一度集まって研鑽と情報交換等の機会を設けているのです。

今回のテーマは「医療事故の背景にある医師の過重労働問題」でした。
医師の過重労働も医療事故の原因のひとつとして検討されるべき課題のひとつであるという問題意識から、外科医と3名の弁護士(うち1名は小児科医であった配偶者を過労死で亡くされた御遺族でもあります)からそれぞれ基調講演があり、その後パネルディスカッションも行われました。

医師の絶対数の増加を抑制してきた歴史や、医師の数を増やすためには、医学部の定員を減らさせないことや、診療報酬点数を上げること、そしてまずは現在の医師数について実働数を把握することや地域別・専門別の医師数を把握することが必要であることなどが議論されました。

患者側の代理人が医師の過重労働問題改善に向けてできることについて、医師の勤務実態を明らかにすることや、医療事故調査において、医師の過重労働についても積極的に調査を求めることなどが挙げられました。併せて、病院や医師の意識改革も必要であり、医師において労働法制や労働組合について理解していない現状にも問題があることが指摘されました。

医師の過労死が美談として語られる社会的風潮や、過労死ラインが上限ならば救える患者を救えなくなるとの意見を日本医師会が出していることから、医師の働き方に対する社会の意識改革も必要であると感じました。

終了後は、美味しい松葉ガニに舌鼓を打ちつつ、各地の弁護士と交流を深めました。

今後も、このような機会を利用して研鑽を積んでいきたいと思います。

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